ラ・ラ・ランドとアーティスト(どっちもネタバレ有) - diary.jgs.me
ラ・ラ・ランドみてきた。事前評もすごい高かったし予告編も楽しそうだったので期待していた。が、正直巷で持ち上げられてる程に面白かったかというとう〜んというところ。もちろん音楽はすごい良かったのでサントラは聴くし、エマ・ストーンもライアン・ゴズリングもハマり役でバッチリだった。…のだが、それらの良いところがきっちりハーモニーを奏でていないというのが大きな欠点だとおもった。 みる前から薄っすら予感はしていたのだが、みおわってから尚更アーティストを思い出さずにはいられなかった。アカデミーで注目されているところや、男女の悲恋(アーティストはハッピーエンドだけどね)を描いているところや、ハリウッドを舞台にしたメタ映画なところ、レトロテイストなところ、そしてミュージカル的で楽しいところなどなど共通点が多い。 この2本を比較した時にアーティストが勝っているのは映画の手法(サイレント風からトーキーに)から音楽、役者まで総てが調和していて1本の “アーティスト” というハーモニーになっているところだとおもう。それらが折り重なっていった結実の、ラストのタップダンスのシーンはもう多幸感しかなくて。
ラ・ラ・ランドでも冒頭の2人が同じ時間軸を別の道のりを歩んで遂に邂逅するとことか、最後の回想シーンでトゥルーエンドみたいなのが示唆されるのもビターなオチに華を添えていたけれど、とにかくどの要素も浮いちゃってて全体的にはピンとこない。
あとは全部ただの愚痴。
ライアン・ゴズリングがエマ・ストーンの実家に馳せ参じて説教するくだりなんかも良かったし、昨年みた「何者」を思い出すんだけど、自分は自分が何者かを選択してしまっている人間だと自負しているので(何者でいうところの山田孝之)夢を追うとか夢を諦めるとかそういうことで迷ったり悩んだりするのも分かるんだけど、そこまで入れ込めない。 あと、全編通してやたら目の回るカメラ回しになっていて疲れた。それが効果的だったかというとあまりそんな感じもしないし。 それから、ミュージカル仕立てなので人間たちが劇の合間に歌い踊るよ、っていうのが冒頭(Another Day of Sun はホント最高、あそこがクライマックスだった)で示されるのでスッと入れていたのに、プラネタリウムのところでふわ〜って浮いて踊るとこでリアリティラインがまた引き直されてしまってかなりどうでもよくなるのがクリティカルにダメだった。 March 2nd, 2017 2:04am